皆さんこんにちは

   

前回は新興国通貨の暴落についてコロナの影響についてお話ししました。  外貨準備の続きからお話します。

外貨準備は常に情報網を張り巡らせるべし

トルコから資金が流出し、米国にその資金が流入すれば為替はリラ安ドル高に振れます。リラ安が加速すればトルコの輸入物価は上昇し、インフレが加速してしまいますから、トルコ中銀は準備しておいた外貨で、ドル売りリラ買いの為替介入をすることでリラ安に歯止めをかけるわけです。

しかし外貨準備が枯渇してしまえば、リラ買いをすることができなくなりますから、リラの暴落に歯止めがかかりません。

リラが暴落すればインフレ率が大暴動して、ハイパーインフレになるほか、ドル建て債務の返済が困難になりますから、デフォルトリスクが高まります。

そこでトルコは主要産業である観光業などでドルを稼がなければならないんですが、コロナ禍の中で観光業が壊滅的な打撃を受けていることからそれは難しいと言えます。

そのためトルコが次にできることは政策金利を引き上げて、リラ安に歯止めをかけることです。

通常世界の投資マネーとは、相対的に金利の低いところから高いところへと流れるものなのでリラの流出を食い止めるためには中央銀行が大幅な利上げに踏み切る必要があるんです。こうした中で先月、トルコ中銀は政策金利を8.25%から10.25%に2%ポイント引き上げたんですね。

投資家らは利上げはないと予想していたことから、ポジティブサプライズだったんですがそれでもリラ安を食い止めることができなかったんです。

つまり大幅な利上げてない限りリラ安を食い止めることはできないということです。 しかし、エルドアン大統領はかねてから金利は悪だと考えているので、大幅な利上げは あまり期待できそうにもありません。

実際前任の中銀総裁は、利下げをしなかったことで更迭されているので大幅な利上げに踏み切れば現総裁も更迭されかねないんです。

そのため、最終的にはIMF国際通貨基金に支援を要請して救済してもらうほかないんですが、これもエルドアン大統領がIMFによる緊縮財政を嫌っているので救済されることもないかもしれません。

つまりトルコ経済は八方塞がりで死を待っている状態なんです。 そしてトルコなどを比較的大きい新興国でデフォルトのリスクが高まると、新興国株式市場から一斉に投資資金が流出することが予想されるので、いまだ新興国株に投資するタイミングではないと思います。

実際多くの新興国は、天然資源、観光業が外貨の獲得手段になっていますが、そのどちらも壊滅的な打撃を受けているほか改善の兆しが見えていないからです。

こうしたことを背景に新興国通貨が軒並み対ドルで暴落しているわけですが、これはその国でインフレが加速することを意味します。

日本はデフレが長期化していますからインフレにあまりピンとこないかもしれませんが、インフレとは物の値段が上がることであり、それはつまり通貨の価値が値下がりすることを意味するんです。

例えば日本人は働いて稼いだお金を老後資金のためにとせっせと貯金しますが、インフレが加速しやすい国では通貨の価値が漸減し、モノの値段が上昇するので貯金をしていてもあまり意味がないんです。

実際2007年にハイパーインフレとなったジンバブエでは紙幣が文字通りただの紙切れになってパンを買うにも札束が必要になりました。

ですから新興国の人々は価値保存資産防衛の手段としてドルや金を求めているわけですが、最近はビットコインも注目されています。

これはなぜかというとドルや金よりもビットコインのほうが手軽だからです。